「糖質制限中に摂りたい!」逆に、「糖質制限中に控えたい」野菜・フルーツについて解説します。野菜、フルーツの糖質量はもちろん、食べる上で注意したいポイント、おすすめのメニューも紹介しています。糖質制限中の方はぜひ参考にしてください。

糖質制限とは

糖質制限とは、文字通り糖質をコントロールすることで身体の調子を整える手法です。
短期間で体重が落ちるケースもあることから、ダイエットやトレーニングの一貫として取り組んでいる方も少なくないでしょう。

糖質制限で得られる3つのメリット

短期間で体重が落ちやすい

ダイエットの基本は、摂取カロリー<消費カロリーです。糖質はカロリーに結びつくため、糖質制限を行うことで体重を減らす方向に導きます。

特にお米やパン、パスタや麺類などを食べる量が多い方ほど、目に見える結果となって現れやすいかもしれません。

糖質を減らすだけなので比較的取り組みやすい

糖質制限では、1日に摂取する糖質を130グラム以内に抑えることが推奨されています。 1回の食事で20~40グラム以内の糖質が目安です。

好きな食べ物を(比較的)我慢せずに済む!

糖質制限が注目を集めた理由として、好きな食べ物を我慢せずに済む点があげられます。糖質を豊富に含むお米やパンなどを減らす一方で、肉類や魚介類、野菜や豆類にてタンパク質やビタミン、ミネラルを摂取して栄養バランスを整えるのが基本です。

スイーツやおやつに関しては、低糖質のタイプを選ぶことで、甘味不足に悩まされることが少なくなるかもしれません。

糖質制限で生じる2つのデメリット

脳のエネルギー不足

過度な糖質制限を実行した場合、脳のエネルギー不足を招く可能性があります。

・集中力の低下
・思考能力が減退する
・イライラしやすくなる
・疲労感
・やる気が起こらない
・落ち込みやすくなる

仕事や学業はもちろんのこと、日常生活に支障をきたすようならそれこそ本末転倒です。 糖質制限を行う際には、身体に無理のない形で取り組むことをおすすめします。

リバウンドしやすくなる

糖質制限によって摂取エネルギーが少なめの状態に慣れた身体は、基礎代謝を抑えることで生命活動のバランスを取る方向に舵を切ります。わかりやすく言うと、リバウンドのリスクが高まるということです。

日常的に軽めの運動を習慣化することが筋肉量の低下を抑え、リバウンドのリスクを防ぐことにつながります。
できるだけエスカレーターやエレベーターでなく階段を使う、などから始めていくと良いかもしれません。

便秘になる可能性

糖質制限ダイエット中によくあるデメリットとして、便秘になる可能性が考えられます。この原因は、食物繊維の摂取不足と、水分量の摂取不足です。糖質制限中に量を減らす炭水化物には、糖質だけではなく食物繊維も含まれています。また、食物繊維は野菜に多く含まれていますが、食物繊維を多く含む根菜類は糖質量も多いため、糖質制限中は避ける方が多いと思います。

つまり、糖質制限中は意識的に食物繊維を摂取しないと、便秘に繋がりやすくなるのです。

また、糖質制限中に量を減らすご飯や麺類には、調理の際に水分を多く含みます。炭水化物を減らして野菜やタンパク質中心の食生活になることで、摂取する水分量が減りやすくなるのも、便秘に繋がりやすくなります。

糖質制限中の注意点

糖質が多い野菜も一切摂らないのはNG

糖質の多い野菜と果物は後ほど紹介しますが、制限はした方がいいものの、一切摂らないのは良くありません。なぜなら、それぞれの野菜や果物には良い栄養成分が含まれているからです。

例えば、サツマイモはビタミンCが豊富です。ビタミンCは熱に弱い特性がありますが、サツマイモのビタミンCは熱に強いという特長があります。また、じゃがいものビタミンCもサツマイモ同様に熱には強いです。どちらも糖質は多いですが、身体の酸化を抑制してくれるビタミンCを効果的に摂取できるのは魅力的な野菜です。

調理法でも糖質量は変わる

野菜は調理法によっても糖質量は変わります。基本的に、生で食べるよりも茹でた方が糖質は少なくなります。※稀な例として、アスパラガスは炒めると糖質が増えます。

しかし、茹でることで栄養素の一部が失われる可能性があります。生野菜・温野菜で一長一短ありますが、どちらにせよ野菜はビタミンや食物繊維などが豊富です。糖質制限中でも積極的に食べるようにしましょう。

果物加工品はNG

果物は生で食べる分には、カロリーはそこまで高くありません。しかし、缶詰やドライフルーツになると糖質量は跳ね上がります。
缶詰はシロップ漬けにされているので当然ですが、ドライフルーツも乾燥して水分がなくなることで糖質が多くなります。

気軽に食べられる缶詰、ドライフルーツですが、糖質制限中は控えましょう。

糖質制限中に摂りたい野菜&果物

一口に野菜・果物といっても糖質量は種類によって大きな差があります。まずは、糖質が少ない野菜と果物を紹介します。

糖質が少ない野菜

ほうれん草

ほうれん草の糖質量は100gあたり約0.4gなので、ほとんど糖質がありません。

ほうれん草は鉄分、ビタミンCが豊富な野菜です。煮る、焼く、茹でる、どのような調理法でも美味く食べられる万能性も魅力です。糖質制限中の方におすすめなのは「ほうれん草のバター炒め」。バターも糖質はほとんどなく、炒めるだけの簡単料理です。

ブロッコリー

ブロッコリーの糖質量は100gあたり約0.9gです。アスリートが好んで食べるほど、栄養価が非常に高い野菜として知られています。

とくに凝った調理をする必要はなく、茹でるだけでそのまま食べられます。
塩やマヨネーズなど糖質が少ない調味料をつけて食べるのがおすすめです。

チンゲン菜

チンゲン菜の糖質量は100gあたり約0.9gと少ないです。チンゲン菜は中華料理でよく使われているイメージですが、その食感の良さ、クセのなさは様々なジャンルの料理に合います。

家庭で食べる機会は案外少ないかもしれませんが、冷凍保存もできて、栄養価も高いのでぜひ普段の食事に取り入れてみましょう。

きゅうり

きゅうりの糖質量は100gあたり約1.9gであり、そのほとんどは水分で出来ています。水分量が多いので「栄養がない」と言われるきゅうりですが、決してそんなことはありません。

カリウムやビタミンC、ビタミンKが豊富であり、むくみの改善や夏バテ予防に効果があります。
カロリーも低く、脂肪分解酵素「ホスホリパーゼ」も含まれているので、ダイエットにも向いています。

糖質が少ないフルーツ

フルーツは野菜に比べると糖質が多い傾向にあります。そのなかでも比較的糖質が少ない果物を紹介します。

アボカド

アボカドの糖質量は100gあたり約0.8gです。野菜のような使われ方をしますが、樹木になる果実なので果物です。

アボカドは「世界一栄養価の高い果物」としてギネスブックにも認定されているほど、ビタミンEをはじめ、健康・美容に効果的な栄養を含んでいます。

ただし、脂肪分が多く、カロリーは高いので食べ過ぎないようにしましょう。目安としては1日1/2~1個程度が理想です。

イチゴ

イチゴの糖質量は100gあたり約7.1gです。厳密には「果実的野菜」という分類ですが、果物として扱うことがほとんどでしょう。
果物のなかでは糖質が少ない部類です。

朝食にも適しているイチゴはビタミンCが豊富で、肌荒れや風邪の予防に効果的です。
ただ、ジャムになると糖質量は一気に増えるので気を付けましょう。

ちなみに、スイカやメロンも「果実的野菜」であり、糖質量はそれぞれ100gあたり約9.2g、約9.8gとなっています。

桃の糖質量は100gあたり約8.9gです。ジューシーな果肉のイメージに反して、糖質量は少なめです。

また、桃はリンゴやみかんに比べてもカロリーが低く、ダイエット中の果物に適しています。

グレープフルーツ

グレープフルーツの糖質量は100gあたり約9gです。糖質が決して少ないわけではないですが、食べ応えのある食感で満足感を得やすい果物です。

桃同様に果物のなかではカロリーが低いのも魅力です。※100gあたり約40kcal

ブルーベリー

ブルーベリーの糖質量は100gあたり約9.6gとグレープフルーツと同程度です。ポリフェノールの一種であるアントシアニンが含まれていることから「目に良い」と言われるブルーベリーですが、ビタミンCやビタミンEも豊富に含まれています。

桃やグレープフルーツと違って、一個一個は大きくないので必要な分だけを食べられるのもグッドポイントです。

糖質制限中に避けるべき野菜&果物

糖質が多い野菜

サツマイモ

サツマイモの糖質量は100gあたり約30.3gです。野菜のなかでは最高レベルに糖質が多く、カロリーが高いので、ダイエットには不向きです。

ただ、後述しますがサツマイモは栄養価も高い野菜なので、一切摂らないのは良くありません。
摂り過ぎには注意しながら、上手に付き合いましょう。

かぼちゃ

かぼちゃの糖質量は100gあたり約17.2gです。
デザートに使われることもあるほど、その甘さが魅力ですが、糖質は多めです。

基本的に甘みのある野菜は糖質が多いので摂り過ぎには注意しましょう。

とうもろこし

とうもろこしの糖質量は100gあたり約15.5gです。カロリーも100gあたり約92kcalで野菜のなかでは高めです。

付け合わせ程度の量ならとくに問題ありませんが、1本丸ごと食べるのは控えた方がいいでしょう。

じゃがいも

じゃがいもの糖質量は100gあたり約15.3gです。
じゃがいもを主食にしている国もあるほど、野菜というよりは炭水化物に近い役割を果たします。

また、じゃがいものGI値(※)は90となっており、白米の88よりも高いです。
※食後の血糖値の上昇を示す数値

フライドポテトやポテトチップスなど食べる機会が多いじゃがいもですが、食べ過ぎには注意しましょう。

レンコン

レンコンの糖質量は100gあたり約13.8gです。代表的な料理として、からしレンコンがありますが、実はからしも調味料のなかでは糖質量は多めです。

調味料の糖質量について詳しくは「糖質制限中は控えたい調味料と上手な代用方法【食べ物シリーズvol.1】」をご覧ください。

レンコンを料理で使う際は、つくね団子やハンバーグに入れる程度の少量がおすすめです。

ごぼう

ごぼうの糖質量は100gあたり約7.6gです。やや多い部類ですが、ごぼうは食物繊維も豊富であり、なかでも不溶性食物繊維「イヌリン」は血糖値の上昇を抑えてくれます。

GI値も45と低い部類なので食べ過ぎは良くないですが、そこまで神経質になる必要はありません。

糖質が多い果物

バナナ

バナナの糖質量は100gあたり約21.4gです。
運動前のエネルギー補給としても使われるだけあって、糖質は果物のなかでも屈指の高さです。

ただ、カロリー自体は100gあたり84kcalとそこまで高くないので、運動前や朝ごはんとして食べる分には別段問題はありません。

マンゴー

マンゴーの糖質量は100gあたり約15.6gです。
果物のなかでも果糖の含有量が高いので、糖質は多くなっています。

ただ、カロリーはバナナ同様に100gあたり約64kcalとそこまで高くありません。
食べ過ぎには注意して、1個丸々ではなく半分だけ食べるなど食べ方を工夫するといいでしょう。

ブドウ

ブドウの糖質量は100gあたり約15.2gです。糖質量は多いですが、食べる量は粒の数で調整しやすいので上手くコントロールしましょう。

ちなみに干しブドウ(レーズン)の糖質量は100gあたり76.6gと極めて高いので注意しましょう。

柿の糖質量は100gあたり約14.3gです。

そして、干し柿になると糖質量は100gあたり約57.3gにまで増えます。糖質制限中は控えた方が無難です。

りんご

りんごの糖質量は100gあたり約14.3gです。
糖質は高めですが、りんごに含まれる「プロシアニジン」という成分は体内への脂肪吸収を阻害する働きがあると言われています。

もちろん、食べる量には気を付けつつ、朝食として食べるのがおすすめです。

さくらんぼ

さくらんぼの糖質量は100gあたり約14gと高めです。
ちなみに、アメリカンチェリーは16.6gと少し増えます。

とはいえ、ブドウ同様に粒の数で食べる量は調整しやすく、カロリーもそこまで高くありません(100gあたり約60kcal)。

ついつい食べ過ぎてしまう方は、予め食べる分を決めましょう。